ポータブルスキル③:計画と実行で成功へ導く~羅針盤と航路図を使いこなす~

第1回ではポータブルスキルの概要、第2回では現状の把握と課題の設定について解説しました。今回は、目標達成のための具体的なステップとなる計画の立案と、計画を実行に移す課題の遂行に焦点を当て、その重要性と具体的な方法を掘り下げていきます。


計画の立案とは?~目標達成への設計図を描く~
計画の立案とは設定した課題を解決し目標を達成するために具体的な行動計画を立てるプロセスです。これは、建築における設計図のようなものでどのような手順で、いつまでに、何を行うのかを明確に示すことで目標達成への道筋を描きます。
「計画の立案」に関連するビジネススキルは以下のとおりです。
目標設定力 | 明確で測定可能、達成可能、関連性があり、期限が明確な目標を設定する能力 |
段取り力 | 必要な作業を洗い出し、優先順位をつけ、効率的な手順を組み立てる能力 |
スケジュール管理力 | 作業に必要な時間を見積もり、期日までに完了するようにスケジュールを管理する能力 |
リスク管理力 | 計画の実行中に起こりうるリスクを予測し、対応策を検討する能力 |
資源配分力 | 人、物、金、時間などの資源を適切に配分する能力 |
計画の立案の重要性~成功への確率を高める~
綿密な計画なしに物事を進めてしまうと、途中で方向を見失ったり無駄な時間や労力を費やしたりする可能性があります。しっかりとした計画を立てることで、目標達成の確率を高め、効率的に物事を進めることができます。
課題の遂行とは?~設計図を現実にする実行力~
課題の遂行とは、立案した計画に基づいて、具体的な行動を起こし、課題を解決していくプロセスです。これは、設計図に基づいて建物を建てる作業に例えることができます。計画を実行に移すためには強い意志と実行力、そして状況に応じて柔軟に対応する能力が求められます。
「課題の遂行」に関連するビジネススキルは以下のとおりです。
実行力 | 計画を実行に移す能力。躊躇せずに最初の一歩を踏み出す勇気、困難に立ち向かう粘り強さ、そして最後までやり遂げる責任感が重要 |
進捗管理力 | 計画の進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて修正を加える能力 |
問題解決力 | 計画の実行中に発生する問題を迅速かつ適切に解決する能力 |
コミュニケーション力 | 関係者と円滑にコミュニケーションを取り、協力して課題に取り組む能力 |
時間管理力 | 限られた時間の中で効率的に作業を進める能力 |
課題の遂行の重要性~計画だけで終わらせない~
どんなに素晴らしい計画を立てても、実行に移さなければ意味がありません。課題の遂行は計画を現実のものとし、目標を達成するために不可欠なプロセスです。
計画の立案と課題の遂行の実践例
前回と同じくカレー作りを例に「計画の立案」と「課題の遂行」について見ていきましょう。
1.計画の立案:最高のカレーを作るための設計図
美味しいカレーを作るという目標を達成するために具体的な計画を立てます。これは、レシピを参考にしつつ自身の状況に合わせて調整するプロセスです。
レシピの選定と確認(目標と方法の明確化)
どのようなカレーを作るか(例:チキンカレー、シーフードカレー、キーマカレー)を決定し参考にするレシピを選びます。レシピには、材料、分量、調理手順、調理時間などが記載されています。これは、プロジェクトにおける「スコープ定義」や「要件定義」に相当します。
材料の調達計画(リソース計画)
レシピに必要な材料を確認し、不足しているものをリストアップします。いつ、どこで、どのように調達するかを計画します。例えば、「仕事帰りにスーパーに寄って鶏肉と野菜を買う」「足りないスパイスはネット通販で注文する」等、具体的な調達手段と時期を決めます。これは、プロジェクトにおける「リソース計画」に相当します。
調理スケジュールの作成(タイムライン作成)
調理にかかる時間を見積もり、タイムスケジュールを作成します。例えば、「野菜を切るのに30分」「肉を炒めるのに15分」「煮込むのに1時間」等、各工程に必要な時間を見積もり、全体の調理時間を算出します。夕食の時間に合わせていつから調理を開始するかを逆算してスケジュールを立てます。これは、プロジェクトにおける「タイムライン作成」に相当します。
代替案の検討(リスク管理)
材料が手に入らなかった場合や、調理中に問題が発生した場合の代替案を検討します。例えば、「鶏肉がなければ豚肉で代用する」「カレールーが足りなければ別のルーを混ぜる」「焦がしてしまった場合は、隠し味でごまかす」など、リスクとその対応策を事前に考えておきます。これは、プロジェクトにおける「リスク管理」に相当します。
2.課題の遂行:設計図を元にカレーを作る
立てた計画に基づいて実際にカレーを作っていきます。計画通りに進まない場合も想定し、柔軟に対応することが重要です。
材料の調達(リソースの確保)
計画通りに材料を調達します。もし、スーパーで目的の材料が手に入らなかった場合は代替品を探したり別のスーパーに行ったりする等、臨機応変に対応します。これは、プロジェクトにおける「リソースの確保」に相当します。
調理作業の実行(タスクの実行)
レシピとスケジュールに従って調理を進めます。野菜を切る、肉を炒める、煮込む等、各工程を順番に進めていきます。これは、プロジェクトにおける「タスクの実行」に相当します。
進捗の確認と調整(進捗管理)
調理中に、味見をしたり、煮込み具合を確認したりして進捗状況を確認します。もし、味が薄ければ調味料を足したり、煮込み時間が足りなければ延長したりする等、必要に応じて調整を行います。これは、プロジェクトにおける「進捗管理」に相当します。
問題発生時の対応(問題解決)
調理中に焦がしてしまったり、味が濃すぎたりするなど、問題が発生する可能性があります。このような場合は、レシピやインターネットで対処法を調べたり、経験に基づいて対応したりする等、問題を解決するための行動を取ります。これは、プロジェクトにおける「問題解決」に相当します。
コミュニケーション(情報共有)
家族に「カレーを作っているよ」「もう少しでできるよ」など、進捗状況を伝えたり、好みをヒアリングしたりすることで、より美味しいカレー作りに繋げることができます。これは、プロジェクトにおける「コミュニケーション」に相当します。
計画の立案と課題の遂行を意識することで、より美味しく、スムーズにカレーを作ることができます。これはビジネスにおいても全く同じで、綿密な計画と実行力によって目標達成の可能性を高めることができます。
まとめ
今回の記事では目標達成のための具体的なステップとなる計画の立案と計画を実行に移す課題の遂行という、非常に重要なポータブルスキルに焦点を当てその重要性と具体的な方法を解説しました。
今回の記事を通して計画の立案と課題の遂行がいかに重要であるかを改めてご理解いただけたかと思います。ここで、ご自身の経験を振り返り、以下の問いについて考えてみてください。
- 過去に立てた計画がうまくいかなかった経験を思い出してみてください。
その原因は、計画の不備にあったでしょうか?
それとも実行段階の問題にあったでしょうか? - 計画を実行に移す際に特に意識していること、または課題に感じていることは何ですか?
ぜひ、今回の内容を参考に日々の業務や生活における計画と実行を見直してみてください。